IP無線の仕組み
IP無線は、従来の無線機のように電波を直接送受信するのではなく、携帯電話のパケット通信網 (3G/4G/5G) や、Wi-Fi + インターネット網 などの IPネットワーク を介して音声データを送受信する仕組みです。
この仕組みにより、携帯電話のサービスエリア内であれば、日本全国どのエリアにいる相手とも 個別通話やグループ通話が可能です。
通信が行われる手順
IP無線機での通信は、以下の3つのステップを経て行われます。
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音声のデジタル化とパケット化
IP無線で話された音声は、まず デジタルデータ に変換され、さらに小さな データパケット に小分けにされます。
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IPネットワークでの伝送
パケット化された音声データは、インターネットプロトコル (IP) に基づいて、携帯電話事業者の基地局や交換局、あるいはWi-Fi+インターネット網を経由し、IP無線制御サーバー を介してIPネットワーク上を伝送されます。
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受信と音声への復号化
受信側のIP無線機は、伝送されてきた音声パケットを受信します。デジタルデータから アナログ音声へと復号 してスピーカーから音が出力されます。
IP無線の主な特徴とメリット
| 特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 広範囲の通話エリア | 携帯電話のサービスエリア内であれば、日本全国 で通話が可能です。 |
| 高いセキュリティ | 通信はデータとして暗号化されるため、従来の無線機に比べて混信や傍受されるリスクが低く、セキュリティが高い特徴があります。 |
| クリアな音声通話 | 基幹ネットワークは概ね400Gbps以上の超高速・大容量の光ファイバーを利用しており、ほぼ遅延のないクリアな通話を可能にします。 |
注意点
花火大会等、ひとつの基地局に多くのスマートフォンなどの端末が接続されるような状況においては、携帯基地局の収容量を上回って 「輻輳 (ふくそう)」 することがあります。
この輻輳により、音声の遅延や途切れが発生したり、通話できない状態になることがあります。
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