無線機について
- Q無線機を使ったことがありません。基本的な操作方法は?
- A機種により異なりますが、一般的には以下の操作手順になります。
① 電源ON
② 通話先を選ぶ(グループ通話や個別通話、一斉通話)
③ 送信してみる(送信相手を間違えていないことと音声がクリアーに聞こえているかを確認します) ※送信ボタンは押したまま話します。離すと送信モードから待ち受け状態になります。
④ 最適な音量に調整します。
- Q交互通話とは、どういう意味ですか?
- A無線通話における「交互通話」とは、送話(話すこと)と受話(聞くこと)を交互に行う通話方式のことです。一般的な電話のように同時に話すことはできません。
ちなみに、「同時通話」とは、携帯電話やオンライン会議のように、双方が同時に話すことと聞くことができる通話方式です。
- Q無線機を選ぶ際の判断基準はありますか?
- A無線機は、用途や必要な通信距離、予算、免許の有無などによって多種多様な種類があります。無線機を選択する際の判断材料として、以下をご参考いただければ幸いです。
①通信距離・範囲
・短距離(数十メートル~数百メートル): 同じフロア、店舗内、小規模イベントなど。
・中距離(数百メートル~数キロメートル): 広い工場、建設現場、広範囲なイベント会場、屋外での作業など。
・長距離・全国範囲: 広域な警備、物流・運送業、災害時など、携帯電話の電波が届く範囲であればどこでも。
②通話方式(交互通話 vs. 同時通話)
・交互通話: 1対多の同時情報共有が主で、リアルタイムの会話よりも情報伝達の効率を重視する場合。
・同時通話: 携帯電話のように自然な会話ができ、リアルタイムでの連携や確認が重要な場合。
③免許・登録の要否
・免許・登録不要: 手軽に導入したい場合。出力が小さく通信距離が短い傾向。
・登録局(登録申請が必要): 免許不要だが登録手続きが必要。比較的広い範囲で利用可能。
・免許局(免許が必要): 高出力で通信距離が長いが、専門知識や手続きが必要。
④使用環境
・屋内 or 屋外: 防水・防塵性能(IP規格)、耐久性(耐衝撃性など)が必要か。
・騒音環境: ノイズキャンセリング機能、クリアな音質が求められるか。
・携帯性: 小型軽量で持ち運びやすいか、クリップやストラップの有無。
・充電・バッテリー持続時間: 一日中使えるバッテリー容量か、予備バッテリーの交換容易性。
⑤コスト
・初期費用: 機器本体の購入費用、手数料。
・ランニングコスト: 月額利用料(IP無線機など)、バッテリー交換費用、メンテナンス費用、免許・登録更新料。
⑥機能
・秘話機能: 通話内容の秘匿性が求められるか。
・GPS機能: 動態管理など位置情報の共有が必要か。
・録音機能: 会話の記録が必要か。
・多チャンネル・グループ設定: 複数のグループに分けて通話したいか。
・緊急通報機能: 非常時に一斉に通知したいか。
- Q具体的な無線機の種類と特徴は?
- A代表的な無線機の種類は約5種類で、特徴は以下をご参照願います。
■特定小電力トランシーバー
・特徴: 出力が最も小さく(10mW以下)、免許・登録不要で手軽に使えます。
・通信距離: 見通しの良い場所で数百メートル程度(屋内や障害物が多い場所では大幅に短縮)。
・通話方式: 交互通話が主。一部の機種では同時通話可能。
・用途: 店舗内、飲食店、小規模イベント、レジャー、ご近所間の連絡など、近距離での使用。
・判断ポイント: とにかく手軽に安価で、短距離の連絡ができれば良い場合。
■デジタル簡易無線機(登録局)
・特徴: 出力が最大5Wと特定小電力より大きく、広範囲をカバーできます。免許は不要ですが、総務省への登録申請が必要。
・通信距離: 1~5km程度(環境依存あり)。
・通話方式: 交互通話が主。秘話機能あり。
・用途: 建設現場、工場、大規模イベント、警備、ホテル、介護施設など、中~長距離での業務連絡。
・判断ポイント: 特定小電力では届かないが、広い敷地内で複数人が同時に情報を共有したい場合。手続きは必要ですが専門資格は不要。
■デジタル簡易無線機(免許局)
・特徴: 登録局と同じく最大5Wの高出力ですが、無線局免許が必要。専門知識を持つ無線従事者の設置が義務付けられます。
・通信距離: 1~5km程度。
・通話方式: 交互通話が主。
・用途: 公共機関(消防、警察の一部)、特定の業務用無線など、より安定した通信が求められるプロフェッショナルな用途。
・判断ポイント: 専門的な用途で、法規制に則って運用する必要がある場合。
■IP無線機
・特徴: 携帯電話の通信網(3G/4G/5G)を利用して通信するため、全国どこでも通信可能(携帯電話の電波が届く範囲内)。免許・登録不要ですが月額利用料が発生します。
・通信距離: 全国エリア。
・通話方式: 交互通話が主。同時通話可能な機種もある。グループ通話、個別通話、一斉通話など多彩な通話モード。
・用途: 広域な物流・運送業、警備業、全国規模のイベント、複数の拠点間での連絡、災害時のBCP対策など。
・判断ポイント: 通信距離を気にせず、携帯電話のようにスムーズな通話が必要で、ランニングコストを許容できる場合。GPS機能で動態管理もしたい場合。
■業務用無線機(一般業務用無線機、MCA無線機など)
・特徴: 特定の業務(タクシー、バス、鉄道、電力、ガスなど)に特化した無線機。安定した通信とセキュリティが強み。多くは免許が必要で、事業者が専用の基地局を設置します。
・通信距離: 数km~数十km(種類や設備による)。
・通話方式: 交互通話が主。
・用途: 各種インフラ企業、運送業、タクシー、警備会社など。
・判断ポイント: 特定の業務で、安定した専用回線での通信を確保したい場合。初期投資やランニングコストがかかる傾向があります。
※ 導入前の考慮事項
・実際の使用環境でのテスト: 可能であれば、購入前にレンタルサービスなどを利用して、実際の使用環境で通信距離や音質、操作性などを確認することをお勧めします。
・将来の拡張性: 将来的に利用人数が増える可能性や、通信範囲を広げる必要があるかを考慮し、拡張性のある機種を選ぶことも重要です。
・アフターサービス: 故障時の修理対応やサポート体制も要確認。
・注意事項:800MHz帯デジタルMCAサービスは、2029年5月31日で終了される予定です。
- Q簡易無線「登録局」の無線利用料は?
- Aデジタル簡易無線登録局の電波利用料は、1局(1台)あたり年間400円です。
これは「電波利用料」として、総務省に納付するもので、無線局の開設届を提出した後に送付される納入告知書で支払います。3年ごとに見直しが行われる可能性があります。
また、申請手数料は、個別登録で書面申請の場合2,300円、電子申請の場合1,700円などとなります。(包括登録の場合は金額が異なります。)